倉庫の中で、ラッキーにはお気に入りの場所がありました。
ひとつはトレーナーバックの上。
そこで、ラッキーはいつも小さく丸まって
大切な仕事道具を温めてくれていました。
毎週火曜日は、そのトレーナーバックを持って
実業団の寮へ出張です。
「ラッキー、温めておいてくれてありがとう」
先生は、ラッキーにそうあいさつして出かけていきます。
ラッキーのお気に入りの場所
もうひとつは、みんなが飲むスポーツドリンクの段ボールの上。
そこは、ラッキーがみんなの仕事が終わるのを
じっと待っている場所。
そーっとのぞくと、ラッキーはいつもそこに居ました。
野良猫なのに
大切な仕事道具の上に乗られても
飲み物の上に乗られても
文句ひとつ言われない。
ラッキーは当たり前にそこに居ました。
そんなラッキーを、スタッフのみんな
自然に受け入れていってくれました。
