のらねこラッキー 第2話

ガリガリに痩せていたその猫は、食べ物を差し出しても
全く食べようとはしませんでした。
震えているようにも見えました。

翌日、倉庫をのぞいてみると、置いてあった食べ物は
なくなって、猫はまた居ました。

私は、院長に頼まれ、チャオチュールを買いに行きますが、
その猫は、チャオチュールの食べ方なんて知りません。
チャオチュールを人間の手から奪い取ります。
奪い取ったものの、中身を出せるわけもなく、
そのまま押し詰められた荷物の奥へ落としてしまいます。

私は、チャオチュールを拾うために、使わない荷物の
たまり場だった倉庫を片付けることになりました。
そのときは、まだここがこの猫の家になるなんて、
みじんたりとも思っていませんでした。

~つづく~

第1話

ラッキーが毎日帰ってきた接骨院の倉庫